12月1日より、7年ぶりに「節電要請」が行われます。
「災害級の暑さ」と叫ばれた、2022年夏にも日本政府から「電力需給逼迫注意報」が初めて発令されました。
つまり、日本は今、正真正銘の電力不足に陥っている状態です。
では、なぜ電力が足りていないのか?
この記事でわかりやすく簡潔に解説します。
なぜ、節電要請を2022年冬に開始したのか?
例えば、2022年夏の場合。
結論から言うと、電気の使用量が多すぎたためです。
需要に供給が追い付いていない状態です。
年間を通して、最も暑い7~8月頃。
基本的に電力会社は、そこに合わせて電力の供給量を最大化するように調整しています。
それが、下記のイレギュラー要素が発生し、崩れてしまいました。
✔ 季節外れの猛暑
✔ 3月に発生した福島県沖地震で火力発電所が一部停止
✔ 昨今の世界情勢より、石油・石炭・天然ガスなどの調達リスク増
この需給バランスが崩れた状態が、7月いっぱいは続くと予想されました。
電力需給逼迫注意報が発令された、6月27日。
幸いながら、その週は晴れの日が多く、太陽光による発電量が増えてなんとか持ちこたえました。
しかしながら、2022年の冬は天候不良や発電所のトラブルがないとは言い切れないためです。
クリスマスイルミネーションへの影響は?
節電要請は、日本全国のクリスマスイルミネーションにも影を落としそうです。
その例として、佐賀市で運営されている『サガ・ライトファンタジー』。
同実行員会は、11月30日にイルミネーション消灯時間の短縮を発表されています。
電気の供給量を増やせないのか?
誰しもが疑問に思うことですよね。
まずは、下記が日本の電力供給関係をグラフ化したものになります。
ざっくり分類すると、4種類。
①水力
②火力(石炭・LNG=液化天然ガス・石油)
③原子力
④新エネルギー(太陽光・風力・地熱発電など)
上記①~④についても、様々な課題や規制があります。
そのため、簡単に電力供給量を増やせないのが現実です。
水力発電
2022年は例年と比べ、早い梅雨明けとなりました。
そのため、国内の一部ダムの貯水量が低下しています。
これから先、水力発電所の出力も比例して低下する可能性もあります。
火力発電(石炭・LNG=液化天然ガス・石油)
カーボンニュートラル(脱炭素)実現に向け、全世界で取り組みが進んでいます。
日本政府も、「2050年までに温室効果ガスの排出をゼロにする」というこの目標達成を宣言しました。
そのため、CO2排出量が大幅に増える火力発電からは撤退する流れとなっています。
しかしながら、今夏の電力需給逼迫により、一部の火力発電所は再稼働中です。
原子力発電
2011年に起こった東日本大震災。
東京電力福島第一原発の事故を受け、稼働に関しての規制基準が厳格化されました。
2022年7月2日現在、定期検査中で停止中の原子力発電所があるため、運転中は4基のみとなっています。
2022年7月14日、岸田総理が冬に最大9基の原発再稼働を表明しました。
日本全体の全力消費量の約1割の相当分。
それを確保することを、経済産業大臣に指示しました。
新エネルギー(太陽光・風力・地熱発電など)
水力発電も含め、「再生可能エネルギー」とも呼ばれます。
現在、新エネルギーを主力電源とすべく、急ピッチでインフラ整備が進む日本。
様々な規制やコストの問題を解決する必要があるため、本格稼働は少なくとも数年先となりそうです。
また、夏場の太陽光発電にはネックが存在。
気温が高いことから、電力需要が増える夕方~夜間。
それと反比例し、発電量が低下してしまいます。
引用:「夏季の省エネ・節電メニュー(ご家庭の皆様)」|資源エネルギー庁
引用:「夏季の省エネ・節電メニュー(ご家庭の皆様)」|資源エネルギー庁
2022年夏、経済産業省資源エネルギー庁が節電協力を要請
上述の通り、太陽光発電の出力が低下し、電力需要が上昇する17~20時頃。
特にこの時間帯について、経済産業省資源エネルギー庁が節電への協力を要請しました。
下記が、その主な省エネ・節電メニューです。
対策 | 節電効果 | |
---|---|---|
エアコン① | 室内の冷やしすぎに注意。 無理のない範囲で温度を上げる。 ※熱中症に注意 | 約5% |
エアコン② | 目詰まりしたフィルターを清掃。 | 約2% |
照明① | リビングや寝室の照明の明るさを下げる。 | 約3% |
照明② | 不要な照明を消す。 | 約2% |
テレビ・PC等① | 省エネモード設定で、画面の輝度を下げる。 見ていない時は消す。 | 約2% |
テレビ・PC等② | 本体の主電源を切り、長時間使わない器機は コンセントからプラグを抜く。 | 約1% |
冷蔵庫 | 冷やしすぎ(強→中)を避ける。 扉を開ける時間を減らす。 詰め込みすぎない。 ※食品の傷みに注意 | 約1% |
もちろん、エアコンの使用を始め、冬場にも同じことが言えそうです。
まとめ
もちろん、無理のない範囲でということを前提に、一人ひとりの小さな節電を積み重ねていきたいですね。
それが大きな省エネ効果に繋がると嬉しいです。
なんとか、今冬の電力不足を乗り切りましょう!