2022年9月、安倍元総理の国葬が日本武道館で執り行われる予定です。
戦後の総理大臣経験者としては、1967年の吉田茂元総理の以来。
そのため、いま、国葬に注目が集まっています。
実は、日本人の中では海外で国葬された方もいて、この記事ではそれについて特集します。
国葬とは?
政府が主催し、国費で行われる葬儀のこと。
ただし、戦前と戦後で形が異なります。
戦前
国葬の法的根拠となる、国葬対象者などを規定した「国葬法」が存在しました。
1926年公布の国葬令に基づくものでしたが、1947年に失効しています。
戦後
政教分離を定めた現憲法思考で消滅し、無宗教式で行われます。
現在は、国葬に明確な基準はなく、その時の政権の裁量に委ねられます。
吉田茂元総理の国葬は、当時の佐藤栄作内閣の閣議決定による特例により執り行われました。
近年は、総理経験者の葬儀は内閣と自民党による「合同葬」が主流となっています。
2022年7月14日、岸田総理は安倍元総理の国葬を行う旨を示されています。
こうした点を勘案し、この秋に「国葬儀」の形式で安倍元総理の葬儀を行います。
— 岸田文雄 (@kishida230) July 14, 2022
安倍元総理を追悼すると共に、我が国は暴力に屈せず、民主主義を断固として守り抜くという決意を示します。併せて、活力にあふれた日本を受け継ぎ、未来を切り拓いていくという気持ちを世界に示していきたいと考えます。 pic.twitter.com/ADE04yCk5T
また、安倍元総理の功績に基づき、国葬の根拠を下記のように語りました。
✔ 憲政史上最長の8年8ヶ月にわたって首相の重責を担った
✔ 東日本大震災からの復興
✔ 日本経済の再生
✔ 日米関係を基軸とした外交
海外で国葬された日本人
この国葬。
国際社会への多大なる功績が認められ、なんと海外で国葬された方が4名いらっしゃいます。
同じ日本人として、ものすごく名誉なことですよね。
その方々をご紹介します。
安達峰一郎(あだちみねいちろう)
「世界の良心」とまで称えられた日本の外交官です。
国際社会を平和に導き、数々の功績を残しています。
世界各国からの信頼も厚く、なんと、アジア系の初の常設国際司法裁判所の所長に当選。
持病が悪化し、オランダにて永眠。
オランダから国葬をもって、その功績を讃えられました。
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近藤常子(こんどうつねこ)
看護師であり、第一次世界大戦中、のちに夫となる男性の治療に関わり結婚しました。
第二次大戦直後に旧ユーゴスラビアに、日本人女性として初めて移住。
生涯にわたって、日本とユーゴスラビアの友好に尽くしました。
そのため、ユーゴスラビア国民に愛され、同国により国葬が執り行われました。
西岡京治(にしおかけいじ)
「ブータンの農業の父」と呼ばれるほど、ブータンの農業発展に貢献しました。
元々は、海外技術協力事業団に所属して活動した日本人農業指導者であり、植物学者。
ブータン国王から、民間人に贈られる最高の爵位である『ダショー』を授かったほどです。
敗血症にて、ブータンの首都ティンプーにて永眠。
ブータン王室及び、ブータン政府によって国葬が執り行われました。
宮崎淳(みやざきあつし)
NPO法人「難民を助ける会」の職員だった、宮崎さん。
2011年10月のトルコ大地震が発生し、現地入りして災害支援にあたっていました。
同年11月に2度目の大地震により、宿泊していたホテル崩壊に巻き込まれて永眠。
トルコでは「英雄」と称されおり、国葬が執り行われました。
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