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月別: 2019年5月

わかぶな高原スキー場をご心配いただいている皆様へ

わかぶな高原スキー場をご心配いただいている皆様へ

 

皆様からはメールなどにより大変多くの応援メッセージ、温かいお言葉を頂戴しております。可能な限り個別に返信させていただきましたが、この場をお借りしてまずは心より感謝申し上げる次第です。

 

種々の調整、折衝過程でこれまで沈黙を保たねばならない状況が続きましたが、5月を終えようとしている今、このままでは皆様の不安をただ増大させることにも繋がりますのでまずは現状、進捗状況をご説明させていただきます。

 

皆様ご存知のように、村からの支援打ち切りが発表されたことは当然のことながら当スキー場事業に及ぼす影響は多大であり、その対応に追われておりました。

今回最も大きな問題が生じたのは、村の考えとメインバンクの考えに乖離が生じたかたちに進行してしまったことでした。
ご存知のようにこの事業は天候/降雪条件が及ぼす影響が多大です。このエリアでは過去4年について、最初の2年間は異常暖冬により1月10日以降の営業開始となり、その翌年は災害レベルの豪雪を含む厳しいシーズン、そしてこのシーズンは序盤と終盤が極端な少雪で推移することとなり、この間想定された来場を大きく損ねることとなってしまいました。いつでも行けるという日帰り型スキー場の弱点でもありますが、条件が悪い場合極端に動きが減速するというデメリットが大きく表れたものです。過去4シーズンの平均入込は45千人となり、その前4シーズンの平均60千人に対し4分の1を欠く数値となっています。
昨年春以降、厳しい状況となった直近3シーズン(2015-2017年度)をふまえて新たな経営計画策定に着手しました。これは村から要請もいただいたこともありメインバンクやコンサルタント等の協力を得て前向きに準備を進めたもので、種々の見直し等で当初予定された実行時期から遅れは生じたものの3月には資金調達も含んだ計画がスタートすることとなっておりました。
しかしながらこの間に村では緊縮財政施策が進行しており、「スキー場に対する支援を今後行わない」とされたことがこの計画の停止に繋がることとなってしまいました。メインバンクとしては、これまでの歴史からも「村営ではないものの村と一体となって地域貢献する企業」との認識で地域への支援という位置づけによってチームで協力体制を組んでいたものが、この前提自体が崩れることになったということでした。
この件を知らされたのがスキー場営業終了後、3月末まで残り1週間というタイミングでありこの時点から関係機関と様々な折衝を繰り返すこととなったものです。この影響はグリーンシーズンのレストラン営業施策にも当然影響を及ぼすこととなりましたが、まずは現状を乗り切ることを最優先に行動を開始しました。

 

メインバンクからは村の考え方次第というお話もいただいていたため村長には我々の想いや過去の経緯などを含め真摯にご説明させていただきましたがなかなか解決に至りませんでした。我々としては協議を継続しながら全く別の手法での考察を含めて新たな関係機関等への折衝なども並行して行ってまいりました。

今年はG.W10連休の影響などもあり検討・協議に時間も要し5月中に間に合わなかったものの、いま、具体的なかたちが見えてきており詳細協議に入っています。相手様もあることですのでまだ詳細は控えますが、我々が望む方向での決着に向けて前向きに進もうとしています。
我々が望む方向とは、このスキー場が存続し愛され続け、この地域全体で、観光に、スポーツ振興に、教育に寄与するかたちです。天候リスクを回避するための別事業での補完など、新たなプログラムの構築なども視野に入れます。

 

今回の件では、個人様・企業様から、「我々にできることがあったら言ってほしい」「こうしたらどうか、こうできないか」というようなお言葉を非常に多く頂戴しておりますが、現状、事業の組み立ては会社としての責務であり精一杯努力を継続しておりますので、具体的な内容が確定したおりには事業を盛り上げていく方向での協力を賜ればと思っています。これまで共に尽力いただいた従業員や関係取引先様を守るため、ご迷惑をおかけしないためにも鋭意努力をいたしております。

 

地方公共団体では財政健全化の取り組みが必須の時代となっており、その中で予算規模削減などの対応を否定するところではありませんが、準備のないまま突然のことに我々ではすぐに対応できかねる事態となっておりました。時間は要しておりますがいま明るい道も見えてきたことをご報告し、今後ともご理解ご支援賜りたくお願い申し上げるところでございます。

 

蛇足ではありますが、本事業に対する当社の考え方は以下になります。

 

1.観光の中心・広告塔としての意義
このスキー場の他に観光目的地に値するものとしてこの村にあるのは「温泉」「渡辺邸」「キャンプ場」程度です。スキー場来場者は村の年間観光客数の約10%程度ですが、立ち寄り若しくは地元利用型の「日帰り温泉ゆ~む」や、経済消費を殆ど伴わないハイキング・登山客を除くとこの率は約25%となります。3ヶ月でこの村全体の年間観光客数の4分の1という数値を得ていることとなります。当然売上規模もこの中では非常に大きいものです。
また、認知度が高いこともあり、観光来場のきっかけとして機能するようこれまでも印刷物・テレビ・ラジオ等で村の施設や特産品などを紹介してきました。効果は少なからず生じているものと考えます。

 

2.この地域ならではのビジネスモデル
大きなスキーエリアでは無く人口約5,500人の村にある、来場の8割以上が新潟市内近郊のお客様という日帰り型スキー場です。
原材料の地域内での仕入れ、地元住民の雇用を意識する「域内調達率」が高いモデルであり、地域の持続的な経済循環を生み出すことにつなげる目的があります。
・雇用に関しては、「従業員の所得増」が「買い物、飲食などの消費増」につながり、この消費需要を満たすためにさらに食品や日用品など、直接的には関係がないように見える産業の生産も増加させ、新たな需要は波及効果として波紋を起こすように影響が多方面へ及ぶと考えます。
・このスキー場では、観光事業として地域の外から“外貨”を集め、血流として地域に循環させるという意識を強く持っています。

 

3.雇用の考え方、産業への寄与
「出稼ぎをしなくてすむ」というスキー場開業時とは時代背景が変わりましたが、農業従事者を中心に冬場は仕事が減ることは事実であり、スキー場ではこれからの農業を担う世代の就労も多くあります。この地域の中心産業である稲作においては、農業法人への転換や生産集約など大きな流れが現れていますが、これに対しても冬場の就労は寄与する部分があると考えています。
村の雇用の場としては、企業の生産拠点海外移転や公共事業の減少などもあり就労の場が減少しています。スキー場では、スクール臨時講師なども含むと毎年のべ100 名以上の雇用があります。
現実として、若者は都市部に魅力ある仕事を求め転出してしまう傾向もあります。学生アルバイトにも多くお手伝いいただいていますが、接客を学ぶことで社会に出る前の訓練という価値も高いと考えています。

 

4.スキー場産業の将来像
参加人口については、レジャー白書の資料をもとに報道資料などでクローズアップされがちで、スキー人口は減っているという認識を持つ方が多いと思います。近年では「下げ止まった」「回復基調」という言葉も使われ始めていますが、ただ、それ以前にこの数値のサンプルは当然人口の多い首都圏・大都市圏の寄与する部分が大きく、しかも「シーズンに1回以上参加した」総数です。言い換えれば、リピート率が高ければゲレンデには人が多くなり、参加回数が低ければ実際の来場数は低くなります。
我々は、こういった発表データだけではなく可能な限り生の数値による分析を心がけています。
新潟県では観光統計として「参加人口」ではなく「来場者数」のデータを公表しています。近年では来場者数は主に天候ファクターによる数パーセントのプラスマイナスを繰り返しておりますが、我々がメインターゲットとさせていただいている県内客に目を向けると、10年以上前は全体の5分の1程度であったものが4分の1に、実来場数でも近年110万人から120万人の間で推移しています。県外客の中にはインバウンドの伸びの影響が含まれることを考慮すると、県内客の来場・参加割合は実際増加していると考えています。
新潟市は他の雪国圏の都市に比してスキー・スノーボード参加率が従来低い地域であったこともあり、近年このエリアに限っては「参加人口」も増大していると分析しています。実際に我々も十数年前から取り組んできたこどもたちの参加促進策に効果は大きく現れており、いくつかのスキー場で取り入れている雪マジ施策の効果も出ているでしょう。
前述のように、本シーズンは序盤と終盤がひどい状況であった影響が大きかったものの、ハイシーズン部分の比較では対前年比24%増の入込を得ており、“動いていただける潜在人口”は間違いなく存在すると考えています。 日帰り型スキー場では天候に大きく左右されることは間違いありませんが、かたや、近隣のユーザ中心となるためリピート率を高めることができる可能性も秘めています。
雪国文化として、スポーツとして、自然に触れ合う場として業界全体で参加人口を増やす努力を継続し、各スキー場がリピート率を高めるべく価値ある取り組みを講じることでこのエリアの来場はまだ増大させることができると考えております。
近年の気象状況が「異常」なのか、「正常」となるのか、長期的には平均化されるのかなどは確かに誰にも判断できません。これまで、暖冬といわれた年が海水温の上昇により豪雪となることもありましたし気温が低いだけで降雪量が少ない年もありました。
気象リスクに対処できる事業展開、そして施設維持への修繕投資などの課題は存在しますが、これらを含めて再度全体的な計画に臨めばビジネスモデルとして成り立たせることは可能だと考えています。

本来、スキー場のような資本投下型の観光事業には我慢よりも投資が重要なファクターだとも考えていますが、まずは現在の課題を乗り越え体制を整え、修繕ならびに新規投資が行えるかたちに向かってく必要があると考えるところです。

 

これまでの歴史で、当社は村からの要請を受け真摯に本事業に取り組んでまいりました。我々は村と一体となってこの地域に貢献したいという気持ちを変わらず持っておりますが、取り巻く環境の変化に対応せねばならないことは現実であります。
このたびは応援いただく皆様からのお声があまりにも大きいことに感謝すると同時になんとしても乗り越えなければという責務も強く感じています。豪雪地域の冬を寒くて辛いだけではなく明るい世界にするためにも我々の本事業に対する想いをご理解いただきたく存じます。

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